知っておきたい!フロアコーティングの種類と特徴
フロアコーティングには種類があり、依頼する際にどれを選べばよいのか迷ってしまうかもしれません。価格や耐久年数などの「数字」で判断しようとするかもしれませんが、それぞれの特徴を理解し、家族構成やライフスタイルに合ったコーティングを選ぶのがおすすめです。今回の記事では、3種類のフロアコーティングについて詳しく紹介します。
UVコーティング
UVコーティングは、フロアコーティングの中で最も耐久性があり保護性能に優れています。専用の機械により紫外線を当てることで、瞬時にコーティングを硬化させることができ、乾燥や硬化を待つ必要がありません。ちなみに他のフロアコーティングでは、硬化するまで1~2週間ほどかかることもあります。耐久年数の目安は20年以上、30年以上のものもあります。
■UVコーティングのメリット
・水分や摩耗、薬品などのダメージに対して最も強いコーティング
・滑り止め効果が高い
・光沢があり高級感もある
・瞬時に硬化し、乾燥のための時間が必要ない
■UVコーティングのデメリット
・フロアコーティングの中で費用が最も高額
・施工スタッフの知識、技術、経験によって仕上がりに差が出る
・高光沢だが、ツヤのある床が好みでない人には向いていない
UVコーティングは高級感のある仕上がりにしたい人、長期間フローリングを保護したい人、乾燥が短時間なのですでに入居している人にもおすすめです。ただし、中にはツヤがあり過ぎて好みではないという人もいるでしょう。費用は他のフロアコーティングに比べて高額になりますが、長期間保護性能が衰えないので結局はお得になります。施工スタッフの技量によっては満足できない仕上がりになることもあるので、業者選びは慎重に行うべきでしょう。
ガラスコーティング
ガラスコーティングは、塗膜は薄いですが硬度が最も高く、耐久性にも優れているのが特徴です。比較的新しいフロアコーティングですが、耐久性に優れていることからUVコーティングと並ぶほど人気があります。耐久年数の目安は15~20年以上です。
■ガラスコーティングのメリット
・ひっかき傷に対して最も強いコーティング
・フローリング本来の風合いを残せる
・光沢を抑えた上品な仕上がり
・UVコーティングとは違い、施工に特別な機材が不要で安価
■ガラスコーティングのデメリット
・他のコーティングに比べるとグリップ力が弱い
・塩素系洗剤に弱く塗膜が溶けてしまう
ガラスコーティングは薄膜ですが非常に硬く、耐摩擦性能にすぐれています。光沢を抑えた仕上がりなので、フローリング本来の風合いを残し自然な仕上がりになるでしょう。ただし、塩素系洗剤には弱いので注意が必要です。グリップ力がやや弱く、他のコーティングに比べて滑りやすいという欠点もあります。しかし、コーティングを施工していないフローリングそのままよりも、滑りやすいということはありません。また、「ガラス」と名前が付いているのですが、ガラスをコーティングするわけではなく、成分にガラスの成分でもあるケイ素が含まれていることから、ガラスコーティングと名付けられました。
シリコンコーティング
シリコンコーティングは、UVコーティングやガラスコーティングに比べ耐久性は劣りますが、長い歴史がありガラスコーティングに次いで人気となっているコーティングです。耐久年数の目安は10~20年になります。
■シリコンコーティングのメリット
・安価で簡単に塗ることができる
・光沢があり仕上がりが美しい
・滑り止め効果が高い
・耐水性に優れ掃除が楽になる
■シリコンコーティングのデメリット
・他のコーティングに比べ耐傷性が弱く耐久年数が短い
・不具合があった時の補修が効かない
コストが経済的でスタンダードな仕様のシリコンコーティングは、最も滑りにくく仕上がりも美しいのですが、耐久性ではUVコーティングやガラスコーティングには劣ります。かつて人気の高かったコーティングですが、小さな子どもや高齢者、ペットがいる家庭には滑りにくさの観点から選ばれることも多いようです。
水性ウレタンコーティング
水性ウレタンコーティングは、フローリングを水拭きしたい人、水性塗料しか使うことができない現場で選ばれています。耐久年数は数年~10年程度です
■水性ウレタンコーティングのメリット
・有機溶剤を含まないのでほぼ無臭
・塗膜に厚みがあるので傷んだフローリングにも合う
■水性ウレタンコーティングのデメリット
・薬品など特定のダメージに対する耐性が低い
・施工が難しいので仕上がりが安定しにくい
他のフロアコーティングに比べ耐久年数が短いのですが、ある程度耐久性があればよい、コストを抑えたいという人に選ばれています。水拭きは可能ですが、薬品や油分の混じった液体などがつくことで、ダメージを受けることがあるようです。
フローリングを保護するだけでなく、美観を保ち滑りにくくすることで安全に暮らせるようになるフロアコーティングですが、選ぶ種類によっては暮らし始めてから後悔することもあるかもしれません。それぞれの特徴、メリットやデメリットをしっかりと理解し、予算や自分の暮らしに合ったフローリングを選んでみてください。